ソーラータワーに
深海クーラー、
人工尾びれに
塗装新素材。 今までも最先端のテクノロジーによる様々な環境への試みをご紹介してきましたが、今回はその中でも今最も注目されている技術・ナノテクノロジーのお話です。
ナノテクノロジーの「ナノ」。 これはラテン語で"小人”という意味があるのですが、それと同時に長さの単位としても使われます。 長さとしては100万分の1ミリメートル。 つまりはとてもとてもとても小さいもので、もちろん人の目では見ることができる大きさではありません。 この小さな小さな世界では私たちが想像もできないことが起こっていたりします。 そしてその世界の不思議で奇妙な現象を応用している技術がナノテクノロジーというわけです。
少し想像しにくいですが、たとえば人の髪の太さはだいたい8万ナノメートル。 ナノテクが使用するのは100ナノメートルより小さな素材。 こう言われるとその小ささが少しは実感できるでしょうか。
すでにたくさんのナノテクノロジーが私たちの生活にはあふれています。 コンピューターや携帯電話で使われている半導体や、最近話題の遺伝子組み替え食品や遺伝子治療で使われるDNA(生物の遺伝子情報を担う物質)からシミの付かない洋服までもがこのナノテクの領域です。
ガンの治療からエネルギー半導体など無数の可能性を秘めたこのナノテク。
もちろん環境問題の分野でも活躍が期待されています。 最近
トロント大学生命倫理学研究所(Joint Center for Bioethics =JBC)が発表した、これから10年でナノテクが貢献するであろう技術トップ10は
1 太陽エネルギーの貯蔵、生産、転換
2.農業の生産率の上昇
3.水処理(浄水や回復)
4.病気の診断
5.薬の交付
6.食物の貯蔵やプロセス
7.大気汚染の回復
8.建設
9.健康管理
10.伝染病などのコントロールや発見
といったもの。
いくつか例をあげてみると、たとえば農業。 生産率をあげるために、すごく細かく設定された肥料を自動で供給することが出来るようになるそう。 その他太陽エネルギーや浄水がもっと効率よく行われるようになるばかりか、サイズまで小さくなるなど、聞き捨てならない利点がいっぱいです。
また最近では上記のような利点から、交通の便の悪い地域までの運搬も楽になる、ということで、発展途上国の生活の向上に貢献しようという動きも出ています。 更に、いくつかの発展途上国ではその国のニーズにあったナノテクの開発を進めているそうです。 (ちなみに日本は世界第二位ナノテク大国。)
ただ大きな問題もあります。 これらのナノテク、環境や健康への危険性などがまだまだ分かっていないのです。 そしてその危険性を理解するには、ただひたすらこつこつと研究を続けるしかなく、場合によっては安全に仕様できるようになるのは10年以上先の話になるかもしれません。 まず作ってから問題がでたら考える、という政府を非難する声や、今ベッドや薬などを買うお金がないのに、開発に莫大な資金を投資し続ける意味はあるのか?というもっともな意見も出ています。
未知の可能性を秘めているナノテク。 あまりに未知の領域だからこそ、現代では人が技術に取り残されている状態というわけです。
技術に振り回されることなく、私たちはナノテクの恩恵を受けることができるでしょうか? 細心の注意を払った取り扱いが求められます。
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